世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


ベリーズ・オウン・セレクション ダルユーイン 21年 1996    46.0%

  • 蒸溜所名: ダルユーイン蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • ブランド: ベリー・ブラザーズ&ラッド
  • 価格帯: 71-120
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:153号

ロブ・アランソンSCORE8.8

香り
最初は軽やかでやさしい香り。わずかにパルマ産生ハムをメロンに乗せた古風な前菜を思い起こさせるが、その生ハムメロンにはシナモンパウダーがふりかけられている。その後から柑橘の刺激があり、レモンとライムの皮を砂糖漬けしたような香り。最後はチョコレートにディップしたチェリー。
香水を思わせるうっとりするような風味。オーク材の箪笥に、ラベンダーの香りがする中敷き。暑い日に香水屋へ入っていくような感覚。トレイルミックスや、乾燥したトロピカルフルーツ。マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツ。最後にサラサラのハチミツの味がする。
フィニッシュ
ハチミツと柑橘の甘味を伴って、余韻がいつまでも続く。
コメント
多くの要素が数種類の風味に統合されているようだが、実際はもっと複雑だ。完璧なまでの表現力を備えたウイスキー。

サム・コインSCORE7.7

香り
最初はやや控えめな印象。穏やかな花の匂いがして、やや草っぽい。フルーツサラダ、アンズ、ネクタリンなどで感じられる甘いシロップの匂いがある。表現も過剰ではなく、驚くほど心地よい。
味わいもまだ引っ込み思案な様子だが、嗅覚で感じたフローラルな要素の存在が舌の上で存在感を増す。草っぽい風味も強まっているが、まろやかに広がっていく印象。そして最後には、香りで嗅いだフルーツ香が爆発して、スイカやたっぷりのサツマイモを思わせる。
フィニッシュ
余韻はやや長く続く。甘いシロップのよう。
コメント
香りに派手さはないものの、非常に期待を高めてくれる内容だった。だが味覚もまたほとんど香りを継承する内容で、やや地味な印象が続く。悪くはないが、もっと潜在力があるような気がする。本当の実力を見せて欲しいと感じさせるウイスキー。